10月から中国のオーディオブランドのJasmineジャスミンオーディオを取り扱い始めました。
ジャスミンオーディオは、熱心なオーディオ愛好家たちによって2001年に中国で設立された国外での受賞歴もある注目のピュアオーディオブランドです。細部までこだわり抜かれたコンポーネントは、経験豊かで資格を持ったエンジニアによって、手作業で丁寧に組み立てられています。という公式のブランド紹介(略してます)ですが、取寄せた商品群を実際とてもよく出来ていますので、バクーンプロダクツ代表の永井さんの多大なる協力を得て、紹介していきたいと思います。
ジャスミンオーディオからはレコード鑑賞のためにカートリッジからターンテーブル、フォノイコライザーまで、開発しているのですが、ターンテーブルもベルトドライブのみだったりします。写真はT-D200MK2。ダブルアーム対応です。造りもとてもちゃんとしています。(当然ですが)
バクーンプロダクツに下させてもらったジャスミン商品は以下です。
TT-D200MK2 ベルトドライブターンテーブル(New modelへモデルチェンジ中)
JS-TAAB エアベアリングトーンアーム
JS-TB297 12インチ ダイナミックバランス型トーンアーム
MCカートリッジ B&W 陶磁器シリーズ "TIGER"
MCカートリッジ ネイチャーシリーズ Forest
MM カートリッジシリーズ - M1
ベルトドライブターンテーブルTT-D200MK2について
ベルトドライブのターンテーブルTT-D200MK2のセットアップのリポートを頂いています。
重さ8キロのプラッターを強力なマグネットで浮かして非常に滑らかな動作させています。
が、
プラッターがゆらゆらしているとの事汗)、、磁石が強力で沈み切らないのが原因かと1キロくらいのスタビライザーで一時的に解消。。
その後ジャスミンの指示に従い、オイルで軸受けの穴を清掃し、オイルを注入することで現象を解消できました。ただオイルを入れすぎるとしばらく溢れて滲み出てくるので気を付けましょう。。
実際の商品はと云うと、とてもフィニッシュが綺麗。ターンテーブルはダブルアーム対応なのですが、2本目は、オプションの突き出しの台座が必須で、トーンアーム用の独立した台座があった方がセットアップもかなり楽なはずです。(永井さんの苦労は後々)
さて問題解消後の動作もバクーンプロダクツの永井さんの予想の斜め上を行く性能(嬉しい笑)だったらしく、これだけの性能でこの価格はまず日本では手に入らないと、とても高い評価をして頂きました!!
永井さんにご指摘頂いた注意点や修正点は直接ジャスミンオーディオの担当者も修正していくと約束を取り付けました。ジャスミンは問題に対しとても速く対応してくれるので、意識の高さを感じます。
永井さんにTT-D200MK2のここの2ヶ月の感想を改めて下記にいただきました。
ターンテーブルとしての性能は素晴らしいと思います。プラッターは軸の周りに設置されたマグネットで8mm位浮いています。昔、ティアックが商品化していたマグネフロートと同じ原理だと思いますが、スムースな回転や振動防止に大きく寄与していると思います。ただし、私が使った個体はマグネフロートとベルトドライブで共振が起き、再生途中で上下の振動が発生するというトラブルがありましたが、軸受けにオイルを注入したら振動することはなくなりました。マグネットでプラッターが浮いている状態なので、重量のあるスタビライザーを乗せるとプラッターが沈みアームの高さが変わります。また、レコードはプラッター上の6点で支えられ、この支えが少しプラッターから浮いているので、スタビライザーを乗せると逆にレコードが反ってしまうという現象が起こります。この製品ではスタビライザーは使わないか、軽いものを使うようにした方がいいです。アームは従来のアームと同社のリニアトラッキングアームの2本のアームが取り付けられるようになっています。従来型のトーンアームの取り付けには専用ベースが付属しており、同社のアームと同じ径のパイプベースのアームならそのまま取り付けられます。そうでない場合は、取り付けベースを自作する必要があります。ターンテーブルのベースはアルミ材の積層のように思われます。十分な重量があり、見た目も格好いいのです。ベースを支えるのはゴム足にボルトが付いたもの3本で底面にねじ込んで高さを調整します。ゴム足は普通のゴムのように硬いので、ここで振動吸収はしていません。床を歩くと針が飛んだり、ノイズが入ったりします。しかし、プラッターがマグネットで浮いているのでハウリングが起こることはないようです。モーターは33 1/3と45回転の2スピードですが、可変範囲は広く33回転でも78回転まで回転数を上げることができました。スピード調整にはストロボスコープが必要で、照明が蛍光灯からLEDになった現在、商用周波数で点滅する専用の蛍光灯スタンドなどが必要です。残念なのはモーターの電源ケーブルが前面から出ておりケーブルの取り回しが厄介なので、後面に出してほしかったです。サウンドはハイエンドのクオリティで、弊社に試聴に来たマニアの方も大変驚かれたようでした。この価格で購入できるターンテーブルとしては、大変高度なクオリティを持っています。アームの取り付けや回転数の調整など使いこなすにはそれ相応の知識が必要となりますので、初心者の方にはお勧めできません。
このジャスミンのベルトドライブターンテーブルは、現在当店とバクーンの永井さんの意見を取り入れてモデルチェンジ中(下のイメージ画像)です。行動が早い!!ただし、ストロボは付かないと思います。。
JS-TAAB エアベアリングトーンアームについて
https://exclusive-audio.jp/products/js-taab
TT-D200MK2にリニアトラッキングアーム
JS-TAABを取り付ける場合、通常のトーンアームのベースに二枚のベースを組み合わせて何とか取り付けができる程度のスペースしかなく、永井さんはかなり苦労したようです。
やっとインストールが完了した後に、以下永井さんのセッティングの苦労をそのまま記載。。『ベースの水平を水準器でできるだけ精密に合わせた。カートリッジの針先がターンテーブルのシャフトの中心にくるようにアームの位置を固定し、針圧計で2gの針圧をかける。ウエイトは二個付いていたので、バランスをとり易いように中央でバランスを取って再生したが上手く動かない。空気圧が足りないと思い最大に上げたがやはり飛んでしまう。取説を見るとバランスウエイトは一個しか使っていない事に気がついた。ウエイトを一個にするとDL-103ではギリギリゼロバランスが取れる。それで再生すると上手くいった。』といった感じで大変苦労されたようですが、結論から言うとマウント位置がリニアトラッキングアームでは、調整範囲が限定されてしまい、セッティングが詰め切らないがために起きた現象のようです。カートリッジも6~18gと広い範囲で取り付け可能でDL-103であればウェイト一個で余裕なはずです。
実際メーカーからの取り付け写真は突き出し台座にセットしていますし、こちらは専用の調整付き突き出し台座を同封するようにジャスミンにはすでに要請済みです。そしてすでに新しい台座のレンダリングのCAD画像が送られて来ました!仕事はやっ!
肝心のリニアトラッキングアームの感想ですが、
『ポンプの音は近くに置いてもほぼ無音。再生される音は、今まで聴いたことがない全く揺るぎがない音。決して使い勝手が良いアームでは無いが、最高の音を求める方にはお薦めである。』
バクーンプロダクツの代表から、こんなお言葉を頂けるとは!!
金額も世に出回っているリニアトラッキングアームよりは随分割安な金額だと思います。永井さん絶賛のこのアームに興味のある方は是非お待ちしております!!
永井さんに改めて商品レビューをお願いした所、快く長文で頂きました。やはり、一にも二にも調整『命』のようです。厳密なセッティングの先には極楽が待っていると云うアナログオーディオの極意。。
ー JS-TABBはジャスミン社の意欲作である、エアーベアリングを使用したリニアトラッキングアームです。アーム本体とエアーポンプがセットになっており、ポンプで高圧空気をエアーベアリングに送ってアームが付いたエアーベアリングを空中に浮かして摩擦を無くし、リニアトラッキングを実現した製品です。このトーンアームを使うと、より解像度が高い鮮明な音を得ることができますが、その調整はよりシビアです。調整が正確に行われないと、アームの動作さえ不可能になります。まずは、アームの位置を決めるためにカートリッジをアームに取り付けます。カートリッジのスタイラスがターンテーブルスピンドルの中心に来るように調整します。また、付属の治具を使っても調整できます。アームとポンプを付属のパイプで接続します。ポンプのスイッチを入れて、ポンプの位置をポンプの騒音が聞こえない位置まで離します。ポンプの騒音は静かですが、静寂な状態で耳を澄ますとわずかに聞こえますので、数メートル離すと聞こえなくなります。アームをベースポジションにして、エアベアリングのシャフトの水平を確かめます。このシャフトの水平はこのアームを正常運転するうえでは一番大切な要素なので、感度のいい水準器を使って精密に調整します。ターンテーブルのベースが水平であれば大丈夫なのですが、少しでも水平が狂っていると動かない可能性があるので、シャフトの水平を精密に合わせます。アームを手で動かしても正常には動きません。エアベアリングとシャフトの隙間は5ミクロンしかないので、手で動かしたり過大な力が加わると、接触してしまします。ですから、アームを手で移動させるときは細心の注意を払って過大な力が加わらないようにします。次に取り付けたカートリッジに針圧を加えます。針圧を加えるには針圧計が必要です。ラテラルバランスですが、ウエイトには針圧の目盛りが書いていないからです。次は、カートリッジを静止したレコードに下ろしてカートリッジが水平になるように市販の治具を使ってアームの高さを調整します。この時、アームと本体と接続されているエアパイプと信号ケーブルを取扱説明書の写真のように山なりに調整します。エアベアリングの移動を邪魔するのは、このケーブルとパイプです。ですから、アームのターンテーブル中心からの距離やケーブルの曲げの形状は大きく動作に影響します。これらの細かい調整は、レコードをかけてみてスムースに片面が再生できるように調整します。ですから、問題なく動作させるには根気が必要です。しかし、このアームから得られる音のクオリティは凄まじいものがあります。それは、時間がかかる調整の手間を忘れさせてくれます。
JS-TB297 12インチ ダイナミックバランス型トーンアームについて
ジャスミンのトーンアームシリーズの中でのハイエンドのS字型のロングアームです。ハイエンドと言っても国産や欧米のものに比べるとミドルクラスの値段です。円安の影響がなければ、もっとリーズナブルです。
このJS-TB297も最早、バクーンのレファレンスに近い存在になりつつありますので、永井さんにお願いして感想を聞かせてもらいました。
ー このアームはセンターが軸から右にオフセットした独特の形状をしています。針圧加圧はウエイトではなくスプリングなどの別の加圧機構を持つダイナミックバランス方式です。カタログにも書いてある通り、これまでの最高のトーンアームデザインの本質を吸収し、継承しているそうです。ですから、有名なトーンアームに似ているところが多々あります。しかし、それをジャスミンの技術によってより高いレベルに最新の精密加工技術と新素材によって実現させたとあります。同社のターンテーブルとの組み合わせで試聴した時、最初に感じるのはハイエンドの音だということです。明確で情報量の多いサウンドは試聴された方々からはデジタルハイレゾを聞いているようだと評価されました。その能力を発揮させるためにはセッティングと調整が必要で、カートリッジの垂直と水平を確認する治具や、アンチスケーティングを調整するテストレコードは不可欠でしょう。
そのためにはターンテーブルの水平は厳密にとる必要があります。ターンテーブルの高さ調整機構を使って水準器でX・Yを正しく調整しましょう。アームの位置を決めるオーバーハングの調整は専用のプラスティック製の治具が付属していますので、それを使って調整します。アームベースをターンテーブルの取り付けベースに2本のねじで固定します。ただ、このネジはローレットはついているものの、ドライバーやレンチが使えるようにはなっていないので、指でつまんで回して固定する必要があります。表面が梨地加工をしてあり、滑りやすいのしっかりと固定しましょう。反時計方向に回して加圧する普通のトーンアームなので、時計方向に回して加圧するのJS-TB297には最初は戸惑いました。使用可能なカートリッジの重量は5~17gですが、同社のM2のような軽いカートリッジを取り付けると、バランスウエイトが中心部にぎりぎりに近づいてしまいます。そうすると、針圧加圧ツマミを回すことは困難になりカートリッジにウエイトを付加する必要がります。次にカートリッジの水平と垂直を合わせます。適正針圧をかけたカートリッジを静止したレコードに下ろし、市販の治具を使ってカーリッジの水平をアームの高さを調整して治具を使って合わせます。垂直はアームのシェルコネクタを止めているネジを緩めてシェルの垂直の傾きを調整しますが、カートリッジにDL-103などの垂直を表すラインが記してあるカートリッジを使用すれば合わせやすいと思います。ラテラルバランスは静的なバランスですので、目盛りに合わせるといいと思いますが、インサイドフォースキャンセラーは非直線なので、オーディオ協会のテストレコードのB面の3トラック目か、アクリル製の専用のテストレコードを使います。使用針圧をかけて、トラックの中央、中心から9cmから12.5cmくらいの間に針を下ろしカートリッジが左右に流れないように調整します。厳密にいうと、この方法はインサイドフォースキャンセルではなく、アンチスケーティングになりますが、調整した方が歪が少なくなります。インサイドフォースキャンセラーのウエイトの軸に目盛りが入っていますが、これは全くあてになりません。カートリッジによって大きく変わるので、上記のテストレコードを使用した調整は必要です。これらの調整をして試聴すると、非常にクリアで解像度の高いハイエンドのサウンドを聴くことができます。
そのためにはターンテーブルの水平は厳密にとる必要があります。ターンテーブルの高さ調整機構を使って水準器でX・Yを正しく調整しましょう。アームの位置を決めるオーバーハングの調整は専用のプラスティック製の治具が付属していますので、それを使って調整します。アームベースをターンテーブルの取り付けベースに2本のねじで固定します。ただ、このネジはローレットはついているものの、ドライバーやレンチが使えるようにはなっていないので、指でつまんで回して固定する必要があります。表面が梨地加工をしてあり、滑りやすいのしっかりと固定しましょう。反時計方向に回して加圧する普通のトーンアームなので、時計方向に回して加圧するのJS-TB297には最初は戸惑いました。使用可能なカートリッジの重量は5~17gですが、同社のM2のような軽いカートリッジを取り付けると、バランスウエイトが中心部にぎりぎりに近づいてしまいます。そうすると、針圧加圧ツマミを回すことは困難になりカートリッジにウエイトを付加する必要がります。次にカートリッジの水平と垂直を合わせます。適正針圧をかけたカートリッジを静止したレコードに下ろし、市販の治具を使ってカーリッジの水平をアームの高さを調整して治具を使って合わせます。垂直はアームのシェルコネクタを止めているネジを緩めてシェルの垂直の傾きを調整しますが、カートリッジにDL-103などの垂直を表すラインが記してあるカートリッジを使用すれば合わせやすいと思います。ラテラルバランスは静的なバランスですので、目盛りに合わせるといいと思いますが、インサイドフォースキャンセラーは非直線なので、オーディオ協会のテストレコードのB面の3トラック目か、アクリル製の専用のテストレコードを使います。使用針圧をかけて、トラックの中央、中心から9cmから12.5cmくらいの間に針を下ろしカートリッジが左右に流れないように調整します。厳密にいうと、この方法はインサイドフォースキャンセルではなく、アンチスケーティングになりますが、調整した方が歪が少なくなります。インサイドフォースキャンセラーのウエイトの軸に目盛りが入っていますが、これは全くあてになりません。カートリッジによって大きく変わるので、上記のテストレコードを使用した調整は必要です。これらの調整をして試聴すると、非常にクリアで解像度の高いハイエンドのサウンドを聴くことができます。