*メーカー受注状況により納期が前後する場合がございます。
極めて純粋なバイアス電圧を実現
Fidelix製静電型ヘッドフォンアンプ
STACCATOの特徴はクリーン・バイアス・テクノロジー(CBT)という技術によって極めて純粋なバイアス電圧を得たことにあります。勿論、fidelixのこだわりであるオールFETの完全DCアンプで、クラスAのリアルタイムBTLでもあります。
CBTは、バイアス電流は殆ど流れないのでリップル電圧は殆んど出ません。アンプ側にリップルが存在するなら、同量をバイアス側にも加えることによって引き算した真のバイアス電圧はクリーンになるというのが基本原理です。これにより圧倒的に澄んで繊細でありながら生々しい音が得られるようになりました。
コンデンサー型ヘッドフォンは、過度な大音量は得意ではありません。アンプを強力にすれば良さそうですが、ヘッドフォンを壊す恐れがあります。そこで写真の様にクリップを目立たなくするソフトクリップ技法を導入しました。クリップが目立たないので経験的には2dBほど最大音量をアップできます。キャリア蓄積効果を生じないMOS-FETによって上手く実現しました(写真下の左側)。100:1のプローブによる測定ですが、ほぼ400Vrmsが出ています。
100pF負荷時の100kHzに於ける方形波応答はかなり綺麗です。(写真上の右側)
電源トランスまでをも左右独立構成とし、リーケージフラックスをキャンセルすべく逆向き接続し、ダイオードアイソレーター方式により、実質的に左右のアースまでもが完全分離となる構成です。
XLR入力は、通常設計だと4連ボリュームが必要になりますが、2連ボリュームで使用可能な回路にしたことで、ボリュームによる、音質への影響を半減しました。主要な抵抗は米国PRP社の非磁性抵抗を、負荷抵抗はVISHAY社の酸化金属皮膜抵抗を並列使用し、コンデンサーはPPSを採用しています。電源はシンプルな± 300V電源のみで構成し、整流ダイオードにリカバリーノイズを生じないSiCを使用しています。コネクターとリレーの接点を排除することで、長期間使用した場合の接触不良や、音質劣化を無くしました。天板を放熱器として使用するなど巧妙な設計により、小型軽量安価にて究極性能に挑みました。
スタックスの設計開発にも在籍していた設計者が使い続けたい製品として企画したアンプですが、設計者自身がこれならリファレンスとしても使えるとの自信が持てる出来栄えと納得、遠くの景色が見通せるかのような透明感と低音楽器の輪郭が明瞭になってリズム感が生き生きと出ます。まさしくSTACCATO(スタッカート)の名前に相応しいコンデンサーヘッドフォンの真価を発揮するヘッドフォンアンプです。
型式 | オールFET完全DCアンプ・クラスA&リアルタイムBTL |
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周波数特性 | DC~300kHz(100pF負荷) |
増幅度 | 58dB |
入力インピーダンス | 20kΩ(RCA&XLR) |
最大出力電圧 | 約400Vrms(1kHz) |
バイアス電圧 | 約580V(PROバイアス) |
入力端子 | RCA×1系統、XLR×1系統 |
電源電圧 | AC100V |
消費電力 | 約30W |
外形寸法 | 150W×50H×250Dmm |
重量 | 約3.0Kg |