透明感・スピード・静寂性を追求
トランスレス設計のハイエンドOTLプリアンプ
PRE14Bは、入力された音楽信号を一切濁らせず、ありのままの姿で送り出すために誕生した、オール真空管・OTL(Output Transformer Less)構成のハイエンドプリアンプです。
増幅ステージには ECC82と6N6Pi を採用し、全段が真空管のみで構成された徹底したピュア設計。半導体や出力トランス、チョークを完全に排除することで、真空管本来の質感と、OTLならではのクリーンでスピード感のある応答性を両立しています。
4系統の入力に加え、バランス入力/出力(XLR)を搭載。音量や入力切替はリモコンで操作でき、高級プリアンプとしての実用性と精度を備えています。

64ステップ・高精度アッテネーター──音に触れずに音量だけを変える
PRE14Bに搭載された64ステップ・リレー式アッテネーターは、Q-tronの設計思想を象徴するパーツです。1dB刻みで音量を緻密に制御でき、どの位置でも左右のチャンネルバランスが極めて正確に保たれるため、音像の揺らぎや色付けが一切ありません。金メッキ接点のリレーによる切り替えは経年変化に強く、音質的な劣化が起こらない点も大きな魅力です。
音楽の質感を損なわず、まるで“音量だけが静かに動く”ような感覚を実現する──PRE14Bの静寂性と透明度は、このアッテネーターによって大きく支えられています。

真空管100%OTL構成──純粋な信号経路が生む圧倒的な透明度
PRE14Bは、すべての増幅段が真空管のみで構成された完全OTL設計を採用しています。
出力インピーダンスは300Ω、ひずみ率は 1kHz・1V 出力時で 0.001%未満、周波数特性は 5Hz~100kHz(-1dB)。
ワイドレンジで低歪みという特性が、音の立ち上がりの速さ、倍音の伸び、情報量の多さをそのまま引き出し、色付けのない自然な音場を形成します。
真空管ならではの豊かな質感と、OTL特有のダイレクト感。
その両方を高い次元で融合した、まさに“音の純度”を追求したプリアンプです。
静寂性を支える安定化電源と堅牢な筐体
アノード電源とヒーターには高度に安定化された電源を採用し、ハムノイズや電源由来の揺らぎを極めて低いレベルに抑制しています。
内部構造は 3 枚の高品質 PCB によって適切に分割され、筐体には 10mm 厚のアルミニウム削り出しシャシーを採用。不要な振動を徹底的に遮断し、空間に溶け込むような静寂性を実現しています。

PA12B / PA34B と 完全に調和する音質設計
PRE14Bは、Q-tronが誇る OTL パワーアンプである PA12B や PA34B と組み合わせることで、それらが持つ透明度・低歪み・広帯域特性を最大限に引き出します。
高いレベルのパワーアンプには、同じ次元で信号の純度を保てるプリアンプが不可欠──PRE14Bはまさにそのための設計です。
もちろん他ブランドの高解像度パワーアンプとも優れた相性を発揮し、システム全体の透明度と静寂性を大幅に向上させます。

純度・静寂・精度──PRE14Bが示す“無色透明”の境地
音場の広さ、倍音の美しさ、スピード感、静寂性──
そのすべてが高いレベルで調和し、音楽の本質を濁らせずに描き出します。
あるがままの音を、そのままの美しさで。
PRE14Bは、それを目指すリスナーのために生まれたピュアOTLプリアンプです。
| 真空管 | ECC82 x2, 6N6Pi x4 |
|---|---|
| ゲイン | 12 dB(4倍) |
| チャンネルバランス | ±0.05dB以内 |
| 入力インピーダンス | 40kΩ |
| 出力インピーダンス | 300Ω |
| 高調波歪み(THD) | 1kHz、1V出力時 < 0.001% |
| 周波数特性 | 5Hz ~ 100kHz (-1dB) |
| ハムとノイズ | 1V出力時 < -100dBA |
| ボリュームコントロール | 64ステップ |
| 入力端子 | 金メッキフォノ2系統、バランスXLR2系統 |
| 出力端子 | 金メッキフォノ1系統、バランスXLR1系統 |
| 寸法 | 430 x 110 x 370 mm, (W x H x D) |
| 重量 | 11.5kg |
プリアンプは、かなり凝ったデザインで、フロント・パネルには左に電源スイッチ、真ん中に富士山型に先が細く絞られたツマミとその右に小さな表示窓があるだけである。 この特注したツマミはボリュームと入力切り替えスイッチと共用となってい る。ボリュームは64ステップのアッテネータとなっており、入力切替えは押し込むことで4入力から順に選択される。どちらもツマミ横のパネルに選択した入力、あるいはボリューム量が表示される。入力はバランスとアンバランス2個ずつである。また、出力もアンバランスとバランスの両方用意されている。プリの音質について表現するのは難しいが、音にしっかり感があり、フォルテシモの時でも上側が押さえられた感じは全くない。また、複雑な音でも各音が揺られる感じがなく、安定しており、十分高級機としての性能はあると思った『よいアンプはこんなだろう』という既成概念を見事に壊してくれたアンプであった。 世の中には自分の知らないことが、まだあるのだと教えてくれました。*『ラジオ技術』参照









