圧倒的な駆動力と透明感
大型スピーカーの潜在能力を余さず引き出す、フラッグシップOTLモノブロック
Q-tron PA34B – ハイインピーダンス負荷にも余裕で対応する80W OTLパワーアンプ
PA34Bは、Q-tronの代表機 PA12B を基盤にしながら、その出力・電流供給能力を大きく拡張したモノブロックOTLパワーアンプです。出力段には6C33C真空管を4本搭載し、PA12Bの約2倍にあたる電流能力を備えたことで、能率の低いスピーカーや大型フロアスタンディングモデルに対しても高い制動力を発揮します。真空管アンプでありながら、8Ωで80W、4Ωで60Wという十分な出力を持ち、現代スピーカーとの組み合わせにも不安がありません。
OTL(Output Transformer Less)設計によって出力トランスを排除することで、トランスの磁気特性に起因する歪みや帯域制限を一切持たず、音の立ち上がりが極めて速く、ダイレクトで透明度の高い再生が可能です。Futterman回路を現代向けに最適化したプッシュプル構成を採用し、出力インピーダンスは0.2〜1.5Ωの範囲に抑えられ、負荷の重いスピーカーに対しても安定した駆動を実現しています。

Futterman回路を再設計し、透明感と制動力を両立
PA34Bの出力ステージには、Q-tron独自のチューニングが施されたFutterman OTL回路が採用されています。トランスレスながらバランスの良いプッシュプル動作を保つため、増幅段には6N6P-I、初段には6N2n-EBを用い、直線性と帯域の広さを両立させた構成となっています。
2W付近の微小信号域では極めてクリーンに動作し、ほぼ測定限界に近い低歪みを維持します。さらに出力を上げて25W前後の実用的な出力域に達しても、歪みの増加はごく小さく抑えられており、音色の透明度や密度を失うことなく、滑らかにエネルギーが立ち上がります。過剰な負帰還に頼らないにもかかわらず、この直線性が保たれるのは、回路そのものの精度と安定性によるものです。

静寂性と安定性を高めるアクティブノイズキャンセリング
PA34Bは、ノイズ対策にも徹底してこだわっています。アクティブノイズキャンセリング技術を採用した電源設計により、ハムやノイズレベルは -100dBA 以下という非常に低い値で管理されています。背景が濁らず、音場の奥にある空気感まで自然に広がるため、クラシックのホールトーンやアンビエンスの再現性は特に高い評価を得ています。
大型PCBとPtP配線、10mm厚アルミシャーシが生む静けさと安定感
筐体は10mm厚のアルミニウム削り出しシャーシで構成されており、外部からの微細な振動を効果的に遮断します。この堅牢性が、重厚な低域の安定感と繊細な中高域の透明感を支えています。

複雑なスピーカー負荷にも余裕を持って対応するドライブ能力
本体は275 × 330 × 400mmの堅牢な筐体に収められ、重量は1台19kgと安定した据え置き性を確保。入力はRCAとXLRの両方に対応し、幅広いシステム構築が可能です。

圧倒的な駆動力と、OTLならではのクリアな音場表現
音場の立ち上がりは速く、空気の密度や奥行き感は濁りがなく、スピーカーの潜在能力を最大限に引き出します。
大音量の迫力も、小さな余韻の消え際も、すべてを濁らせずに描き切る──
PA34Bは、音楽の本質を深く掘り下げたいリスナーのために生まれたOTLモノブロックアンプです。

| 出力 | 80W(8Ω時、歪率1%未満), 60W(4Ω時、歪率1%未満) |
|---|---|
| 歪率1kHz | 2W時 < 0.01%, 25W時< 0.1% |
| 周波数特性 | 5 ~ 100kHz / - 1dB |
| パワーバンド幅 | 10 ~ 100kHz/ - 1dB |
| 立ち上がり時間 | 0.5μs |
| ハムとノイズ | < -100dBA |
| 出力インピーダンス | <0.2Ω ~ 1.5Ω |
| 入力端子 | RCAフォノ + XLR |
| 寸法 | 275 x 330 x 400 mm, (W x H x D) |
| 重量 | 19kg / 1台 |









