Bakoon Products
PRE-7610MK4 プリアンプ

新開発HIBIKI-IC搭載。ボリューム付きアンプのプリアンプ不要論を打ち破る

PRE−7610MK4は、基板設計を一新し、MK3を遥かに凌駕する性能を発揮するプリアンプです。その圧倒的な駆動電力と膨大な情報量により、「ボリューム付きパワーアンプにはプリアンプは不要」という定説を見事に打ち破ります。

HIBIKI-ICによる圧倒的な音質向上

本機に搭載されたSATRI-IC回路には、新開発のHIBIKI-IC がプラスされています。

• 情報量とリアリティーの増大: この回路により、音の厚み、情報量、リアリティーが飛躍的に増しています。
• 広大なレンジ: 元々広大なレンジは更に広く、低域から高域までストレスなく伸び、とてもナチュラルな音を聴かせてくれます。
• ハイエンドクラスのパフォーマンス: 78mm(H) x 235mm(W) x 295mm(D)のコンパクトサイズでありながら、ハイエンドクラスにも見劣りしない内容とパフォーマンスを発揮します。

フル電流伝送システム構築を可能に

• 豊富な入出力: 電圧入力3系統、電流入力SATRI-LINK 2系統の合計5系統の入力部を備えています。
• SATRI-LINK出力: 出力は同社のSATRI-LINK入力のパワーアンプと組み合わせることで、フル電流伝送システムを構築することが可能です。
• 制御能力: 他のメーカーのパワーアンプをも見事に制御することが可能です。

PRE-7610 MK4——音の焦点が合う瞬間

PRE-7610 MK4 を加えると、音像のピントが一気に合う。
ATC モニターで聴くとその差は歴然で、音楽にまとわりついていた薄い靄が消え、ディテールが驚くほど鮮明に立ち上がってくる。
和音の構造、弓の摩擦の質感、客席のざわめき、床を踏む音、そして演奏者の呼吸。
どれもが “そこにある音” として浮かび上がり、透明なガラス越しに舞台を覗き込むようなクリアさだ。
初めて眼鏡をかけた日に、突然世界の輪郭が見えたあの感覚に近い。
音楽の世界そのものが、急に再構築される。

オーケストラの規模が変わる——力感と空間の伸張

レボヴィッツ／ロイヤル・フィルの「禿山の一夜」「展覧会の絵」を再生すると、変化はさらに明瞭になる。
まず、出力の余裕がまるで違う。
SCA-7511単体では高めの音量で少し物足りなさを感じる場面もあったが、PRE-7610 MK4 を挟むと一気に手綱が太くなる。
4気筒から8気筒に乗り換えたような感覚で、音の下支えが強固になる。
そして空間表現。
舞台の幅だけでなく、奥行きが深くなる。
オーケストラの楽器群が階層構造を帯び、手前・中間・奥の距離感が驚くほど明確になる。
弦楽器には厚み、金管には輝き、低域には圧巻の実体感が宿り、大編成の音楽がようやく “整った形” で姿を見せる。

ビル・エヴァンス・トリオ——半世紀前の空気がそのまま現れる

続いて、ビル・エヴァンス・トリオの「Porgy」。
再生した瞬間、空気が変わる。
ホールトーンが一気に透明になり、観客の会話やグラスの触れ合う音が自然に混ざり合う。
耳を澄ませば、その会話の内容まで追えるほどの生々しさだ。
1961年のビレッジ・バンガードの空気が、距離を越えて目前に立ち上がる。
エヴァンスのタッチは透明で暖かく、ラファロのベースは耽美的な重心を持ち、モーティアンのシンバルは炭酸の泡が弾けるように爽快。
24bit/192kHzであることを差し引いても、半世紀以上前の録音とは思えないほどの忠実度だ。
SCA-7511 MK4 単体ではここまで辿り着けなかった品位やリアリティが、PRE-7610 MK4 の追加で初めて開花する。

総括——PRE-7610 MK4 は “音楽の解像の仕方” を変える装置

PRE-7610 MK4 がもたらすのは、単なる音量の向上ではない。
情報量、空間の階層性、質感、ダイナミクス、そして録音現場の空気——
音楽を構成するすべての要素が、一段階上の解像で姿を現す。
SCA-7511 MK4 の潜在能力を、もう一歩深い次元で引き出したいなら、PRE-7610 MK4 はまさに最適なパートナーだ。
“音楽がどう聴こえるべきか” を改めて教えてくれる、稀有なプリアンプである。