小さなユニットが、音楽の密度を変えてしまう
小さな振動系が描き出す、驚くほど自然な音楽表現
Alpair5v3SS Rectangularは、Markaudioが長年追求してきた「フルレンジスピーカーは、どこまで繊細になれるのか?」という問いへの、ひとつの答えです。
手のひらに収まるサイズでありながら、一音鳴った瞬間に空気の質が変わる。それは音が増えるのではなく、今まで聴こえていなかったものが、自然に現れてくる感覚です。

Pure Single Suspensionという思想
Alpair5シリーズの核となるのが、Pure Single Suspension という考え方です。
この構造では、ダンパーも、磁性流体(Ferrofluid)も使いません。音楽信号を止めるものは、エンクロージャー内の空気抵抗だけ。結果として、ユニットは極めて自由に動きます。弦が弾かれる瞬間の立ち上がり、ボーカルの喉が震える微細な変化、唇に触れる息の湿度まで――人の感覚は、理屈を考える前にその違いを察知してしまいます。

第3世代Rectangular Voice Coilがもたらした変化
v3SS Rectangularで最も大きな進化点は、平角(Rectangular)純銅ボイスコイル の採用です。
従来のv2SSは、極限まで軽さを追求したアルミ蒸着銅線を用いていました。それは驚異的なレスポンスを生みましたが、高域に向かってエネルギーがやや前に出る傾向もありました。平角純銅線は、同じ断面積の丸線に比べて磁界での駆動効率が高く、巻き数を減らしても十分な駆動力を確保できます。その結果、MMS1.9gという軽さを維持したまま、音色はより自然に、より滑らかに。
純銅ならではの柔らかさと、SS構造特有の解像度が、ここで美しく交差します。

MMS1.9gが生む、音の「速さ」と「余韻」
MMSとは、スピーカーの音を出す部分が実際に動く「重さ」を表す数値です。この重さが軽いほど、音は素早く立ち上がり、余計な動きを引きずりません。Alpair5v3SS RectangularのMMSは わずか1.9g。メタルコーンを採用しながら、この数値を実現している点は特筆すべきポイントです。軽いということは、反応が速いということ。速いということは、音が必要以上に残らないということでもあります。その結果、アタックは明確に立ち上がり、余韻は濁らず、自然に消えていく。派手さはありませんが、聴き続けるほどに心地よさが積み重なり、音楽の流れそのものが、すっと身体に馴染んでいきます。

Shallow Coneがつくる、自然な広がり
Alpair5v3SS Rectangularは、Markaudioらしい 浅いコーン形状 を採用しています。
深く厚いコーンは量産性に優れますが、音量を上げると中域に付帯音が乗り、指向性も強くなりがちです。浅いコーンは設計も製造も難しい。それでもMarkaudioが選び続けるのは、部屋のどこにいても、音楽が自然に成立する再生 を重視しているからです。
体験してほしいのは「音」ではなく「感覚」
Alpair5v3SS Rectangularは、音の迫力や量感で驚かせるユニットではありません。
しかし、一度この繊細さを知ってしまうと、元には戻れなくなる人が少なくありません。小音量でも、音楽は十分に成立する。そのことを、静かに、しかし確実に教えてくれるフルレンジです。
| Revc(ボイスコイル直流抵抗) | 3.4 Ω |
|---|---|
| Fs(最低共振周波数) | 94.5Hz |
| Sd(振動板の有効振動面積) | 2.8K mm² |
| Vas(エンクロージャー容量目安) | 1.78 L |
| Cms(サスペンションの柔らかさ) | 1.6K µm/N |
| Mmd(空気負荷を除いた振動系の質量) | 1.85 g |
| Mms(空気負荷を含めた駆動部の重さ) | 1.93 g |
| BL(駆動力の強さ) | 2.49 T·m |
| Xmax(片側の最大リニア振幅) | 3.5mm |
| Pwr(許容入力) | 10W(連続) |
数字そのものよりも、全体のバランスが音の個性を決定します。










