※メーカー在庫切れの場合は納期にお時間が掛かります。
繊細な表情までをも再生する
MJテクノロジー・オブ・ザ・イヤー2019、analog Grand Prix 2020、オーディオ銘機賞2020を受賞
フィデリックスは1976年にMCヘッドアンプLN-1でスタートしました。これは入力換算雑音電圧が-157dBVという衝撃的な少なさでした。空芯MC型はデリケートなニュアンスまでをも再現するのですが、出力が低いので、この良さを生かしきるには、ここまでノイズを下げないと元気不足になりがちです。さらにヘッドアンプとイコライザー間に電源ノイズが混入するのを防ぐべく、バッテリー式にしたものです。その後、MC用機器としてはLN-2、LZ-12MC、MCR-38、LEGGIERO、と続きました。今回、MCヘッドアンプとしての集大成となるのがこのLIRICOで、長い経験で得たノーハウが投入されております。
世界最高レベルの超ローノイズとなる-156dBV(RIAA+IHF-A by Average Response)、等価雑音抵抗6Ω、入力換算雑音密度0.32nV/√Hz@1kHzは確かなノイズ理論に裏打ちされての達成になります。
オールJFETでGS Direct方式による約26dBの正相増幅。微少信号はデリケートなので、出来るだけ速やかに増幅素子へ伝達せねばなりません。カップリングコンデンサーや抵抗を介在することなくGateとSourceに直接伝えるのがこのGS Direct方式です。使用FETは性能的にも音質的にも定評のある貴重な東芝製超ローノイズ品(廃品種)を採用しています。ノイズやゲインや最低動作電圧の左右差を無くすため、デバイスは厳密に選別しています。
入力インピーダンスはMCR-38やLEGGIEROで大好評なギガオーム(GΩ)受けですが、装置との相性や好みによって一般的な330Ωも底のディップスイッチの1番と3番をONにすることで選択可能です。2番スイッチは左右のアースの連結で、支障がない限りOFFにします。
ニッケル水素の006P型充電池を6個を使い、充電器は1個ですが、動作時はダイオードにより左右のアースまでもが完全独立となる独自構成になります。また、充電器は両切りスイッチを使うことで動作時は電源ラインからのノイズを完全にシャットアウト。満充電で約20時間使用可能です。
JFET、PRP製抵抗、PPSコンデンサー、シャーシなど主要パーツは非磁性を採用しています。
本ヘッドアンプは磁性体から生じるバルクハウゼンノイズがありません。そのため繊細な表情までをも再生すると同時に、広大な臨場感が得られます。MCトランスは間接音を抑える傾向があり、それによって直接音に近づいたかの様な、時として効果的な作用をする事もありますが、LIRICOは忠実性を追求し、MC カートリッジの理想のステップアップを実現しました。
出力インピーダンス | 1.8kΩ |
---|---|
入力インピーダンス | 1,000MΩ、330Ω切り替え |
歪率 | 定格入力の10倍における2.5mV入力時で0.3% |
周波数特性 | 3Hz〜700kHz -3dB(47kOhmと100pF負荷) |
入力換算雑音電圧 | -156dBV |
バッテリー | ニッケル水素006P(8.4V×6個) |
本体サイズ | 120W×200D×50H mm(スイッチ、端子部含まず) |
質量 | 885g |