300Bとは別の快楽。PX4の世界へ
低域は量より輪郭。中域は厚みより実体感。余韻は長く自然に。
PX4ならではの密度と余韻を、現行生産の完成度で“使える球”として手に入れる選択肢です。
PX4は、出力で押し切るよりも、音の芯と空気感を太く描ける直熱三極管です。ボーカルや弦の質感が薄くならず、音像の輪郭がにじまずに立ち上がる。この“密度の出方”がPX4のいちばんの魅力になります。最大で3〜6WクラスのA級アンプ用途を想定でき、構成次第では出力管/ドライバー管としてPX4の味を活かせます。

使用上の注意
PX4は数値の条件がはっきりしています。フィラメントは4V(±5%)/ 1.1A、増幅率は5.0。最大定格はプレート電圧350V、プレート電流60mA、プレート損失20Wです。A1級の代表条件としてVa 250V・Ia 48mA・Vg −32V、相互コンダクタンス5.1mA/V、プレート抵抗980Ωが示されています。アンプ側のヒーター条件と動作点が合っているか、ここだけは導入前に確認しておくと安心です。
| フィラメント電圧 | 4V(±5%)/1.1A |
|---|---|
| 基本特性(増幅率) | 5.0 |
| 代表動作点(A1級)Va / Ia / Vg | 250V / 48mA / -32V |
| 代表動作点(A1級) | 5.1mA/V / 980Ω |
| 最大電流 | 60mA |
| 最大プレート電圧 | 350V |
| 最大プレート損失 | 20W |
KR Audio PX4は、まず**“密度が乗る”ところが強烈です。音の芯が薄くならず、手触りが有機的で、洗練されたまとまりになります。300Bほど俊敏で精密ではない一方、それでも音楽として成立する格が違う、という捉え方とも言えます。
また、減衰音(消え際)に空間が乗る方向に振れ、余韻の広がりがはっきり出ます。ここは人によって「空間表現の伸び」と取るか「マイクロフォニックの気配」と取るかで解釈が割れます。
PX4は300B系よりもダイナミックで、インパクトと明瞭さが強い**厚みで押すというより、立ち上がりと見通しで前へ出るタイプです。









