KR Audio 2A3 Clear Glass(直熱三極・出力管)
2A3らしい“息づかいの近さ”を、情報の見通しと低域の整理で磨き上げたKRの2A3
2A3は、出力は控えめでも、音の立ち上がりや中域の密度がストレートに出る球です。シングルA級の回路で、声や弦の質感を「太らせる」のではなく「整えて前に出す」方向に強い。スピーカーが合ったときの気配の濃さは、出力ワット数だけでは語れません。
KR AUDIO 2A3は、その2A3に“現代の作り込み”を入れてきます。モノプレート構造に、新しいリボンフィラメント、32カソードの特許設計を組み合わせ、真空度は10^-8 Torr、最大グリッド電流2.0µA、寿命までエミッションが一定という設計思想が明確です。

出力面では、一般的な2A3シングルA級の3〜5Wクラスを想定し、代表例として**約4.0W(THD <0.5%、2.5kΩ負荷)**が示されています。派手な押し出しではなく、低域の整理と音場の通りを重視したい方向けです。ヒーターは2.5V系で、電流は2.5Aです。2A3対応アンプでも、ヒーター電流の余裕がない設計だと不安定になりやすいので、ここは最初に確認しておくと安心です。
| フィラメント電圧 | 2.5V(±5%) / 2.5A |
|---|---|
| 基本特性(増幅率) |
3.8 |
| 代表動作点(A1級)Va / Ia / Vg | 250V / 70mA / -45V |
| 代表動作点(A1級) | 5.2mA/V / 750Ω |
| 最大電流 | 100mA |
| 最大プレート電圧 | 350V |
| 最大プレート損失 | 20W |
KR Audio 2A3は、まず背景の静けさと微小信号の回収力が核になる。小さな気配が埋もれず、音像の輪郭がにじまずに整う。弦はシルキーに伸び、木管は“木の質感”が前に出て、倍音が薄まらないまま見通しが上がる。低域は量で盛る方向ではなく、握りと規律が出て土台が締まる。ワット数で押し切るタイプではないのに、実際の聴感では押しの強さやパンチが増したように感じられ、アンプの透明性を一段押し上げる方向に働く。









