自然で耳に優しいサウンド
暖かく心地良い桜材ヘッドシェル
HS-2には最も質の良いアサダ桜の心材のみを厳選して使用しています。このアサダ桜材はネジ切れるほど硬くないため、真鍮製の指かけ兼用のネジ止め用のプレートを使用してカートリッジをしっかり止められるようにデザインされています。桜材の比重が金属や黒檀に比べて軽いため、この真鍮製のプレートとの組み合わせで重量バランスを取っています。自重は、両機種共に約10gくらいとなりました。
また、同社のウェイト調整用ワッシャーWA-1を使用しますとより簡単に重量バランスが調整できます。
木材の風合いやその質感を大切にして、人体にほとんど影響がないエコ塗料系の木材保護塗料を塗り、バフ仕上げで仕上げています。木材の持つ独自の外観・柔らかさを実感してください。
| 素材 | ボディー:北海道産アサダ桜材心材選別品(クリヤー・エコ塗料仕上げ) 指かけ部:1.5mm厚真鍮(非磁性金メッキ仕上げ) |
|---|---|
| 外形寸法 | 18(W)x 50(L)x 18(H) |
| 自重 | 10.4g |
| シェルリード | 標準型 |
| 付属品 | 標準型4色シェルリード付属 真鍮製金メッキ取り付けネジ3種付属 |
HS-2 の音は、奇をてらうことなく、どこか泰然とした佇まいを感じさせる。北海道産アサダ桜材を用いた木製ヘッドシェルならではの、オーガニックで自然な響きが基調にあり、音楽を無理に演出することなく、あるがままに整えていくタイプだ。
最大の特長は、響きの美しさと余韻の自然さにある。一般的な金属製シェルのようにエッジを立てたり、情報を前に押し出したりする方向性とは明確に異なり、耳当たりが非常に柔らかい。木材特有の内部損失によって不要な共振が穏やかに整理され、音の立ち上がりから消え際までが滑らかにつながる。
ヴォーカル再生ではその個性が際立つ。声の輪郭が過度に強調されることなく、ふわっと空間に広がり、温かみを帯びた質感で定位する。ヴォーカル・ハーモニーの再現性も高く、たとえばイーグルスの『ファースト』のような多声コーラスでは、各パートが自然に溶け合いながら広がり、思わず聴き入ってしまうという声もある。
一方で、ロックやファンクなど、強いアタックや押し出し感を求めるエレクトリックな音楽には必ずしも向かない。音をゴリ押しせず、あくまで自然な流れを重視するため、刺激や切れ味を最優先するシステムでは物足りなさを感じる可能性はある。しかし、生楽器やアコースティック編成、ヴォーカル中心の作品では、その穏やかで品のある鳴り方が大きな魅力となる。
HS-2 は、音を「シャープに整える」ヘッドシェルではなく、音楽の呼吸や温度感を大切にするための道具だと言える。長時間聴いても疲れにくく、音楽そのものに身を委ねたいリスナーにとって、静かに惚れ込んでいくタイプのヘッドシェルだろう。









