MM/MIのポテンシャルを極限まで引き出す
MM/MIカートリッジを、バランス接続のハイエンドシステムへ
1:2昇圧トランス、バランス変換、フェイズイコライザーを一つの筐体に
愛用しているMM/MIカートリッジは、これほどまでに鳴るものだったのか。
MANNVS II(マンヌス2)は、MM/MIカートリッジとフォノイコライザーの間に使用する、複合型のMM/MIインターフェースです。広帯域トランスによる1:2の昇圧、MM/MIカートリッジ固有の位相特性を整えるフェイズイコライザー、そしてXLRバランス出力を一つの筐体に統合しています。
単に出力電圧を高めるだけでなく、カートリッジのインダクタンスによって生じる位相遅れを補正し、位相の整合性と周波数特性を最適化。MM/MIカートリッジが本来持つ情報量、空間表現、音色の自然さを引き出します。

MANNVS IIの主な機能
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 1:2昇圧トランス | MM/MIカートリッジの出力電圧を約6dB高め、フォノイコライザーへ効率よく伝送 |
| バランス変換 | MM/MIカートリッジからの信号をトランスによってバランス化し、XLR端子から出力 |
| フェイズイコライザー | 選択式RLネットワークにより、カートリッジのインダクタンスに起因する位相遅れを補正 |
| ガルバニック絶縁 | 入力側と出力側を電気的に絶縁し、グラウンドループや接地条件の影響を軽減 |
| GND LIFT | 信号グラウンドとシャーシグラウンドを切り離し、接続環境に応じた調整が可能 |
MM/MIカートリッジをバランス接続のハイエンドシステムへ
MANNVS IIの大きな特徴は、MM/MIカートリッジからの信号をトランスによってバランス化し、XLRバランス入力を備えたハイエンド・フォノシステムへ伝送できることです。
XLR出力には2芯シールドケーブルを使用することで、コモンモードノイズの低減効果を活かしたバランス伝送が可能です。さらに、トランスによるガルバニック絶縁によって、グラウンドループや接続機器間のグラウンド電位差の影響を抑えます。
RCA出力は、一般的な1芯シールドケーブルを使用するアンバランス接続です。RCA出力にもトランスによるガルバニック絶縁は働きますが、バランス伝送を利用する場合はXLR出力を使用します。RCA出力とXLR出力は背面のスイッチで選択し、両方の端子を同時に接続することはできません。

カートリッジ固有の位相遅れを補正
MM/MIカートリッジのコイルはインダクタンスを持つため、入力信号に対して位相遅れが生じます。MANNVS IIは選択式のRLネットワークを搭載し、このインダクタンスによる位相遅れを補正します。
カートリッジに適した設定を選ぶことで位相の整合性を回復させ、周波数特性をよりフラットで自然な状態へ整えます。特定の帯域を積極的に強調するのではなく、音像の輪郭、定位、空間のつながりを明瞭にしながら、MM/MIカートリッジ本来の音色と表現力を引き出します。

録音を変えず、カートリッジの特性を自然に整えるフェイズEQ
MANNVS IIのフェイズイコライザーは、録音へ積極的に音色や効果を加えるものではありません。MM/MIカートリッジのインダクタンスに起因する位相遅れを補正し、位相特性と周波数バランスをより自然な方向へ整えるための機能です。
効果の現れ方はカートリッジや再生環境によって異なります。メーカーによれば、Shure V15のようなカートリッジでは比較的変化を感じやすく、SoundSmithのような設計では、その違いがより穏やかに現れる可能性があります。もともと位相特性や周波数特性が良好な組み合わせでは、調整による変化がほとんど感じられない場合もあります。
調整は実際の音を聴きながらEQノブを動かし、定位、音のつながり、周波数バランスがもっとも自然に感じられる位置を選びます。EQを使用しない場合はスイッチをOFFにすることで、信号は内蔵トランスを通って直接出力されます。
EQを有効にすると出力レベルが変化するため、ON/OFFを切り替える前にプリアンプまたはフォノイコライザーの音量を下げてください。

1:2の広帯域トランス
内蔵された広帯域トランスの昇圧比は1:2。MM/MIカートリッジの出力電圧を約6dB高め、固定ゲインまたは比較的ゲインの低いMMフォノイコライザーに接続した場合でも、十分な信号レベルを確保しやすくします。
電源や能動増幅回路を使用しないパッシブ構成により、新たな増幅回路を信号経路へ加えることなく、カートリッジから取り出した微細な信号をフォノイコライザーへ伝送します。

ノイズの影響を抑える設計
トランスによるガルバニック絶縁とEMI/RFI対策により、モーターのハムやグラウンド電位差などの影響を抑え、安定した信号伝送を追求しています。
GND LIFTスイッチを使用することで、信号グラウンドとシャーシグラウンドを切り離すことができます。接続環境によって効果は異なるため、通常接続とGND LIFTの両方を試し、ノイズの少ない設定を選択できます。
欧州の美意識が宿るデザイン
本機はチェコ共和国にて、熟練の職人の手によって一台ずつ丁寧に製造されています。プロダクトデザイナーJan Snegovによる外観は、堅牢な金属筐体と独特の操作ノブを組み合わせ、現代的な機能性とクラシックなアナログ機器を思わせる個性を両立しています。
| 形式 | MM/MIカートリッジ用昇圧トランス/フェイズイコライザー |
|---|---|
| 回路構成 | 1:2絶縁トランス+選択式RLフェイズイコライザー |
| 対応カートリッジ | MM / MI |
| 周波数特性 | 5Hz~100kHz(±0.5dB) |
| 昇圧比 | 1:2 |
| 電圧ゲイン | 6dB |
| 直流抵抗 | 一次側 1000Ω / 二次側 約2000Ω |
| 出力端子 | RCA(アンバランス)/ XLR(バランス)切替式 |
| XLRピン配列 | 1番:GND / 2番:HOT / 3番:COLD |
| その他の機能 | EQ ON/OFF、RCA/XLR出力切替、GND LIFT |
| 外形寸法 | W155 × D215 × H70mm |
| 重量 | 2.1kg |
| 仕上げ | シルバーアルミニウム / ブラックグロッシー |
| 製造国 | チェコ共和国 |









