いつものMMカートリッジから、聴いたことのない繊細さを
位相の遅れと共振だけを、あなたの一本に合わせて整えるパッシブ・コントロール
なぜ、同じカートリッジで音は変わるのか
MM/MIカートリッジの音は、実はカートリッジ単体では決まりません。発電コイルが持つ「インダクタンス(誘導性)」と、フォノイコライザーの入力条件——この二つの相互作用が、最終的な音を大きく左右します。インダクタンスは高域に向かうほど信号の位相を遅らせ(インダクティブ・ラグ)、同時に負荷との間で電気的な共振を生みます。これが、高域の暴れや微妙な濁り、本来の繊細な表情が霞む原因です。CVRRVSは、この「位相の遅れ」と「共振」を整えるためのパッシブなコントロール・ステージ。増幅は一切行わず、信号経路に能動素子を挟むことなく、カートリッジとフォノイコの"つながり方"だけを最適化します。

■ DIRECTとEQ、2つのモードを切り替えられる
本機は、左のセレクターで「DIRECT」と「EQ」を選べます。DIRECTは補正をかけず、カートリッジの信号をそのままフォノイコへ送るストレートな経路。EQは位相補正ネットワークを介し、PHASE EQで整えた補正を効かせるモードです。ワンタッチで切り替えられるので、補正のあり・なしをその場でA/B比較し、あなたのカートリッジとシステムにとっての最適を耳で確かめられます。
■ PHASE EQ:あなたのカートリッジに合わせ込む
右のPHASE EQダイヤルは、補正量を調整するためのものです。カートリッジのインダクタンスによって生じる位相の遅れは、一本ごとに値が異なります。だからこそCVRRVSは補正を固定にせず、パッシブなRL(LR)ネットワークを周波数に応じて変化させながら、お使いのカートリッジにぴたりと合う点まで追い込めるようにしています。位相のコヒーレンス(位相の揃い)が回復し、周波数特性がフラットに整うポイントを、ダイヤルを回して探す——その一手間が、音に明確な差として返ってきます。
針が拾っていた"見えない表情"が、聴こえてくる
適切に整えると、まず高域の見通しが変わります。これまで耳に付いていたざらつきや硬さが鎮まり、シンバルの余韻やボーカルの息づかいが自然に伸びていく。共振と位相の乱れが整理されることで音場を覆っていた薄いベールが晴れ、奥に隠れていた微小なニュアンス——指がフレットを擦る音、ホールの空気感——が、すっと前に出てきます。派手に音色を変える装置ではありません。むしろ"何かを足された感じ"がしないのに、気づけば情報量が増え、音楽がぐっと澄んで聴こえる。その静かな説得力こそ、CVRRVSの真価です。
こんなアナログ環境にこそ
高域の暴れや位相の乱れが気になっている方、カートリッジごとに最適点を自分で追い込みたい方、そして「ゲインを足す」のではなく「整える」ことで質を高めたい方に最適です。DIRECTとの聴き比べができるので、すでに満足度の高いシステムを組んでいる方ほど、その効きの違いを実感していただけるはずです。MMインターフェースの精度を、もう一段引き上げる一台です。

主な特徴
- 増幅段を持たないパッシブ構成:MMを昇圧するのではなく、信号経路に能動素子を挟まず、純粋なまま整えます。
- 周波数で変化する負荷で共振を整える:固定抵抗の一定負荷ではなく、パッシブRLネットワークが周波数に応じて負荷を変化させ、電気的共振を過不足なく制動します。
- 位相の揃いと特性のフラット化:位相の遅れを補正することで、高域の暴れが収まり、周波数特性が自然に整います。
- カートリッジの個性はそのまま:素性を変えるのではなく、フォノイコとの関わり方だけを最適化します。
| タイプ | MM/MIインターフェース・コントロール(位相EQ) |
|---|---|
| 構成 | パッシブRL(LR)ネットワーク(増幅・昇圧なし) |
| 操作部 | DIRECT/EQ セレクター、PHASE EQ 調整ダイヤル |
| 入力 | MM/MIカートリッジ |
| 出力 | フォノステージ入力(RCA) |
| 負荷インピーダンス | 50kΩ |
| 周波数特性 | 5Hz–100kHz(±0.5dB) |
| 重量 | 約0.8kg |










