Fidelix
STACCATO(スタッカート)静電型ヘッドフォン用アンプ

Fidelix STACCATO（スタッカート）は、静電型ヘッドフォンの真価を引き出すために、設計者が長年培ったノウハウを投入し、「リファレンスとして使える」と自負する究極のヘッドフォンアンプです。

独自技術：CBT（クリーン・バイアス・テクノロジー）

STACCATOの最大の特徴は、独自のクリーン・バイアス・テクノロジー（CBT）によって極めて純粋なバイアス電圧を得た点にあります。この技術は、アンプ側とバイアス側のリップル電圧をキャンセルし、真のバイアス電圧をクリーンにするのが基本原理。これにより、圧倒的に澄んで繊細でありながら、生々しい音の再生を可能にしました。

100pF負荷時の100kHzに於ける方形波応答はかなり綺麗です。(写真上の右側)

音質を追求した回路設計

• 完全DCアンプ: FidelixのこだわりであるオールFETの完全DCアンプで、クラスAのリアルタイムBTLを採用しています。
• ソフトクリップ技法: コンデンサー型ヘッドフォンを過度な大音量から守るため、クリップを目立たなくするソフトクリップ技法を導入。MOS-FETのキャリア蓄積効果を生じない特性により実現し、経験的に約$2\text{dB}$の最大音量アップを可能にしながら、ヘッドフォンの破損リスクを低減しています。

徹底した高音質パーツと電源分離

• 電源の完全分離: 電源トランスまでをも左右独立構成とし、リーケージフラックスをキャンセルすべく逆向き接続しています。ダイオードアイソレーター方式により、実質的に左右のアースまでもが完全分離となる構成です。
• 高精度パーツ: 主要な抵抗は実績のある米国PRP社の非磁性抵抗を、負荷抵抗にはVISHAY社の酸化金属皮膜抵抗を並列使用。整流ダイオードにリカバリーノイズを生じないSiCを採用しています。
• シンプルな信号経路: XLR入力に対し、通常4連ボリュームが必要なところを2連ボリュームで使用可能な回路にすることで、ボリュームによる音質への影響を半減しました。また、コネクターとリレーの接点を排除することで、長期間使用した場合の接触不良や音質劣化を防いでいます。

巧妙な設計により、天板を放熱器として使用するなど、小型軽量かつ安価でありながら、静電型アンプの究極性能に挑んだ一台です。

遠くの景色が見通せる透明感とリズム感

STACCATOは、スタックスの設計開発にも在籍した設計者自身が「使い続けたい製品」として企画したアンプであり、その究極の透明度とスピード感が専門家からも絶賛されています。

「遠くの景色が見通せるかのような透明感と、生き生きとしたリズム感。」

ユーザーや専門家の評価では、CBT技術とDCアンプ構成により達成された**「遠くの景色が見通せる」かのような透明感**が特筆されています。音場の奥まで淀みなくクリアに見通せ、低音楽器の輪郭が明瞭になるため、リズム感が生き生きと出ます。**まさしくSTACCATO（スタッカート）**の名前に相応しい、音の立ち上がりの速さとキレを伴った再生を実現します。