フォノカーブを自在にコントロール
フォノイコライザーに付け足すだけで、フォノカーブのバリエーションを増やす。
RIAAのみのフォノイコライザーの後ろに接続することで、BASSとTREBLEの組み合わせから25種類のカーブが追加され、RIAA以外の主なEQカーブにも対応可能になります。これにより古いレコードも心置きなく堪能できます。

アンプや電源が不要なパッシブ素子のみで構成したことにより、純度の高い音質を獲得しました。純粋なアナログ技術なので、使用パーツには特にこだわり、抵抗はアメリカのPRP社の非磁性抵抗、コンデンサーはPPS型を特殊樹脂で固め、接点は全て金メッキに。連続可変は避け、音質を重視したロータリースイッチを採用。左右のアースに導通がない完全なモノラルコンストラクションになっており、非磁性のアルミシャシーです。

古い録音対応のため、モノラル化スイッチを搭載。モノラルレコードは左右のエネルギーが集中した腰の強い音質と演奏の良さが魅力です。ステレオカートリッジでも、モノラルLPを再生できますが、音が広がって聴こえ、その分、エネルギーは散漫になります。モノラルレコードはステレオで簡易的に聴くよりも、モノラルかモノラル接続すると3dB程SNが良くなります。PCA-25ではモノラルスイッチを入れることでサーフェスノイズは3dB下がります。モノラルスイッチを使うことで、モノラルカートリッジと同様に、迷いの無いゆるがない信念が聴こえてきます。

RIAAのレコードであっても、少し高域を上げたい、または下げたいといった録音はいっぱいあります。そういう場合でも本機を使う事で自由に調整が可能です。PCA-25は音質劣化を最小限に抑えたシンプルな構成により、自由で快適なオーディオライフをお楽しみ頂けます。

さらにPCA-25をプリアンプとパワーアンプの間に挟むことで、レコード以外のプログラムソースでも純度の高いトーンコントロールとして使用可能です。XLRで使いたい場合は、1台をプラス信号専用に当て、もう1台をマイナス信号専用に当てます。外部にてXLRからRCAへの変換コードとRCAからXLRへの変換コードで本機を2台使う方法になります。
| イコライザーカーブ | RIAA, SP, AES, NAB, FFR, RCA, COLUMBIA |
|---|---|
| 寸法 | W140 x H50 x D100 mm |
| 重量 | 450g |
フォノカーブ補正の正確さと効果
- PCA-25 を使い始めてまず驚いたのは、ヴィンテージ盤の“歪み”が一気に取れて、まるで別物のように鳴り始めたことです。RIAA以前のさまざまなフォノカーブ──Decca、Columbia など──に正確に合わせられるおかげで、帯域バランスの偏りや耳につく歪みが自然に解消されます。古いレコードほどその効果が大きく、「こんなに良い音で録られていたのか」と思わず聴き直してしまうほどでした。
- カーブを合わせるだけで音像のフォーカスがぐっと締まり、定位が驚くほど明確になるのも印象的です。正しいイコライジングはここまで音を整えてくれるのか、と再認識しました。
製品の音響的クオリティ
- PCA-25は調整機能を持ちながらも、音色が非常にニュートラルなのが素晴らしいところです。イコライザー特有の付帯音やクセがなく、あくまでレコードに刻まれている情報をそのまま引き出す感じ。ノイズも極めて少ないので、音の透明度が高く、安心して音作りを任せられます。その結果として、音場が自然に広がり、奥行きもぐっと深く感じられます。
クリアネスが上がることで、録音現場の空気感まで見えてくるような印象です。
使い勝手とデザイン
- 操作がとても直感的なのも嬉しいポイントです。難しい設定を覚える必要はなく、ノブを回すだけでカーブを切り替えられるので、ヴィンテージ盤を気軽に聴き比べる楽しさがあります。「あ、この盤はこのカーブだと映えるな」といった発見も多く、つい手持ちのレコードを片っ端から再生したくなってしまいました。









