Fidelix
MITCHAKU セラミックヘッドシェル

Fidelix MITCHAKU（密着）ヘッドシェルは、トーンアームとの接続部の隙間を排除することを目指して開発された、世界初の革新的な構造を持つヘッドシェルです。従来のヘッドシェル接続では、わずか1ミクロンの隙間でも音響的に影響を与え、ゴムリングで埋めると弾性合体となり音質が鈍化するという問題を抱えていました。

この問題を根本から解決するため、MITCHAKUヘッドシェルは**「シーソー構造」**を採用しています。

• シーソー構造: 上ピンと下ピンの中間に配置した横ピンを、上下ピンが等しい力で引き込む構造により、トーンアームに隙間なく完全に密着接続することを可能にしました。
• 剛性の獲得: この密着構造により、ヘッドシェル一体型アームと同等の剛性を得ることができ、しっかりした音質とセパレーションの向上、広い音場の再現を獲得しました。

セラミック材の採用と共振対策

本体素材には、ルビーやサファイアと同じアルミナ系のセラミック材を採用。これにより、不要な共振を徹底的に排除し、高音質なサウンドに貢献しています。

• 池田勇氏の教えに基づく設計: セラミックであっても水平部分を長くすると共振を起こしやすいという教えに基づき、ヘッドシェルは必要最小限の形状に設計されています。
• 剛性の維持: 指かけにも厚み（2.5mm）を持たせるなど、細部にわたって共振対策が施されています。
• リード線と接点: リード線には、PCOCCをアニール処理したPCOCCAを採用し、アームとの接点には耐久性に優れたロジウムメッキを使用。

セラミック製でアルミの中間金具がMITCHAKU-A。ステンレスの中間金具はMITCHAKU-Sです。SAECのWE-8000/ST用の角度付きヘッドシェルはMITCHAKU-W(SAECのULS-8Xの代用品)。この角度を逆にしたのがMITCHAKU-0です。これは曲がったアームでもピュアストレートアームの効果が得られますが、アームの取り付け位置を約30mm後方に移動できる場合に適合します。アームごとの微妙な角度の差はカートリッジの取り付け角度で調整します。

写真左上MITCHAKU-A、写真右上MITCHAKU-S
写真左下MITCHAKU-W、写真右下MITCHAKU-0

MITCHAKUセラミックは、独自のシーソー構造とセラミック素材（アルミナ）の採用により、ヘッドシェルの究極的な共振対策と剛性を追求したモデルです。

「静寂性向上と、超高域まで見通しの良いサウンド。」

セラミック素材とシーソー構造による隙間ゼロの剛体化が相まって、音の背景の静寂性が驚くほど高まります。専門家の評価では、金属シェルにはないクリアネスを獲得し、超高域まで見通しが良く、細部の情報が極めてクリアに再現される点が指摘されています。

「音楽的で自然な響きを失わない、優れた共振対策。」

セラミックが持つ硬質なイメージに反し、音は硬くならず、自然で音楽的な響きを保つ点が評価されています。FRやIKEDAの創立者・池田勇氏の教えに基づく設計により、セラミック特有の**「鳴き」を最小限**に抑え、カートリッジ本来の音を引き出すことに成功しています。