魔法の透明感を求めるリスナーに
ワイヤーメッシュ陽極管の魔力と透明感を備えた300B
魔法の透明感を求めるリスナーへ:300Bメッシュアノード管
Emission Labs(EML)300B-Mesh は、トライオードサウンドの究極の美しさを追求する方に向けて設計されました。ワイヤーメッシュ陽極管が持つ「魔法の透明感」と繊細で豊かな表現力を備え、音楽のニュアンスを鮮やかに、奥行きのある音で提供します。特に効率の高いスピーカー(106dB以上)と低〜中出力アンプとの組み合わせで、その特性が際立ちます。

メッシュアノードが実現するピュアなサウンドステージ
EML 300B-Meshの最大の特長は、そのメッシュアノード構造にあります。通常のソリッドプレートアノードが引き起こす不要な響き(ベル効果によるリンギング)を、メッシュアノードの高い共振減衰能力によって徹底的に抑制します。これにより、より透明感のあるサウンドステージとピュアな再生音を実現し、音の奥行きや空間表現が際立ったリアルなステレオ再生を可能にします。

ロングアノード仕様と高品質な構造
本製品は、標準の300Bに比べアノードが25%長いロングアノード仕様です。硬質金属フレームに取り付けられたメッシュ陽極、金メッキ・ウォルフラムグリッド、そして超硬構造により、最高の安定性と長寿命を実現しています。さらに、カソードタップフィラメント、スロースタートフィラメント、アンチマイクロフォニック設計など、音質と耐久性を追求した技術が惜しみなく投入されています。
最高のサウンドとパワーのバランス
真空管の特性上、サウンドクオリティと出力のバランスは重要です。EML 300B-Meshは、高出力よりも音質を重視した設計であり、特に効率の高いスピーカー(106dB以上)と組み合わせることで、少ない出力でも豊かな音量と美しい音質が得られます。ワイヤーメッシュ構造による独特の透明感と繊細なサウンドは、リスナーを包み込むような音楽体験を提供します。
最適なパフォーマンスのための使用条件
EML 300B-Meshは、高出力よりも音質を重視した設計のため、標準の300B真空管よりも低いアノード損失での使用が推奨されています。推奨アノード損失は22W、最大で28Wです。最適なパフォーマンスと長寿命を実現するため、アンプのアノード損失が26W以下であることをご確認ください。この条件を守ることで、本機が持つ繊細で透明感あふれる音質と高いパフォーマンスを安全に楽しむことができます。

EML 300B-Mesh 真空管交換条件
EML 300B-Mesh真空管は、以下の条件を満たす場合に標準の300B真空管と交換して使用できます:
- バイアスおよびアノード損失:アノード損失は、標準で22ワット、または絶対最大で28ワットに減らす必要があります(詳細は下記の表をご参照ください)。
- フィラメント電流:アンプが最低1.4アンペアのフィラメント電流を供給できることが重要です。これを満たさない場合、ヒーター電圧が5V未満に低下し、真空管が故障する可能性があります。
- 真空管のサイズ:300B-Meshは標準の300Bに比べ、アノードが25%長くなっている「ロングアノード」仕様です。このため、物理的なサイズはEMLの300B-XLS真空管と同等であり、通常の300Bよりも大きめです。密閉型アンプの場合でも、真空管のガラスの長さは問題ありませんが、詳細な寸法はデータシートの末尾をご確認ください。
- アノードの放熱特性:メッシュアノードは、ソリッドプレートアノードに比べ放熱特性が低くなっています。そのため、300B-Meshの連続使用時の最大アノード損失は、通常22ワット、絶対最大28ワットに制限する必要があります。これは多くの日本製アンプで採用されている標準的な使用条件ですが、一部のアンプはこの数値を超えて動作するため、アンプのアノード損失が不明な場合は、事前にアンプ製造者に確認することをお勧めします。
このような条件を満たすことで、EML 300B-Meshが持つ透明感のある音質と高いパフォーマンスを安全に楽しむことができます。

EML 300B-Mesh フィラメント定格
| フィラメント電圧 | = 5 ボルト (AC または DC) |
|---|---|
| フィラメント電圧の許容値 | 4% |
| フィラメント電流 | 〜1.4アンペア |
300B-Mesh メッシュ 最大条件
最大電流と最大電圧を同時に使用することはできません
| 最大アノード電圧 | 450V |
|---|---|
| アノード電流 | 80mA |
| ピーク陽極散逸 | 28W |
| グリッド抵抗 @ アノード消費 = 22W | 100k...350kΩ |
| グリッド抵抗 @ アノード消費 = 24W | 100k...250kΩ |
| グリッド抵抗 @ アノード消費 = 26W | 100k...140kΩ |
| グリッド抵抗 @ アノード消費 = 28W | 100kΩ以下 |
* 最良の寿命を得るには、最大26Wのアノード消費を選択することをお勧めしますが、寿命との妥協で28Wも可能です。300B-Meshよりも高い出力が必要な場合は、標準の 300B-Meshを選択するか、300B-XLS にアップグレードしてください。
| 寸法 | 148 x 65 mm |
|---|---|
| 重量 | 145g |
メッシュプレートによる広がりのある音場
- 実際に音を出してみてまず感じたのは、音場の“抜け”の良さでした。とにかく広く、奥行きも自然に出て、立体的な景色がスッと眼前に立ち上がるような感覚です。定位はしっかりしているのに、音がスピーカーの外側へふわりと広がっていく——そんな自由さが心地よく、メッシュプレートならではの開放感を強く感じました。
- 高域はよく伸びますが、決して刺激的にならず、とても上品。細かなニュアンスが見えるほど繊細なのに、耳に刺さる感じがまったくなく、透明感だけがすっと残ります。
ロングアノードが生み出す安定感と力強さ
- 低域については、ロングアノードの恩恵がはっきり出ています。土台がどっしりと安定し、量感もあるのに輪郭は崩れない。大音量や複雑な曲調でも余裕を感じられ、音楽全体をしっかり支えてくれる印象です。
- 駆動力とダイナミクスが一段階アップしたような感覚もあります。音像が引き締まり、サウンドに芯が通るので、演奏の勢いや表情がよりストレートに伝わってきます。
ノイズの少なさと、所有する喜び
- 背景の静けさは特筆すべきポイントです。ノイズが極めて少なく、静寂の中から音楽がすっと立ち上がる様子は、EMLらしい完成度の高さを感じます。そして、メッシュプレート自体が放つ独特の美しさも、大きな魅力のひとつ。灯った瞬間の繊細な輝きは、眺めているだけでも満足感があります。音だけでなく、所有する喜びまで満たしてくれる一本だと感じました。









