歴史と革新が融合する究極の真空管
TelefunkenのAD1を再現し、さらなる高出力と豊かな表現力を実現
歴史と革新が融合する究極の真空管:AD1/350メッシュプレート
Emission Labs(EML)AD1/350 Mesh は、クラシックなTelefunken AD1真空管の音質と美しさを再現しつつ、現代の技術で改良されたハイエンドな三極管です。1930〜40年代の4V直接加熱三極管特有の上品で豊かな響きを受け継ぎながら、メッシュプレートがもたらす柔らかでシルキーな音質、そして優れた表現力を実現します。ボーカルや弦楽器の繊細なニュアンスが一層際立ち、奥深い音楽体験を提供します。

高電圧対応(350V)と安定性を両立
従来のAD1が250V動作を基本としていたのに対し、EML AD1/350は350Vまで対応可能な高効率設計を実現。追加の出力を引き出しながら放熱量を抑えることで、より幅広いアンプ構成に適応します。最新技術により、従来のAD1で懸念されていた高い動作電圧でのグリッド電流の発生を解消。どの動作ポイントでも長時間にわたり安定したパフォーマンスを提供します。
メッシュアノードとゴールドプレートグリッドの優位性
本機の最大の特長は、灰色のワイヤーメッシュアノードと金メッキWolfram Gridの組み合わせです。メッシュアノードは、不要な共振を抑制し、音の濁りを徹底的に排除。これにより、透明度が高く、奥行きのある音楽再生を可能にします。ゴールドプレートグリッド技術はグリッド電流を抑制し、真空管特有の経年変化にも強く、長期間にわたり美しい音を維持します。
高い互換性と長寿命設計
ソフトラバーサスペンデッドチューブベース、カソードタップフィラメント、そして最高の寿命を実現するスロースタートフィラメントを採用。超硬合金構造により、ヴィンテージ管で頻発したグリッド電流やガスの問題を解消し、優れたバイアス安定性を実現しました。ヴィンテージの8ピン「サイドコンタクト」や4ピンUX4ベースにも対応可能で、こだわりのアンプ構成に高い互換性を持っています。
EML AD1 フィラメント定格
| フィラメント電圧 | 4V (AC または DC) |
|---|---|
| フィラメント電圧の許容値 | +5% / -2.5% |
| フィラメント電流 | 1.5 Am |
| 最大待機時間(ヒーター電圧のみ) | 2時間 |
EML AD1最大条件(同時不可)
| アノード電圧 | 350V |
|---|---|
| アノード電流 | 60mA |
| アノード消費固定バイアス (継続的に) | 15W |
| アノード散逸 オートバイアス(連続) | 18W |
| 最大限のグリッド/グランド抵抗、シングルエンド:自動バイアス | 500kΩ |
| 最大限のグリッド/グランド抵抗、シングルエンド:固定バイアス | 50kΩ |
メッシュプレートによる音場の開放感
- メッシュプレートのAD1に替えた瞬間、音場の広さと立体感がぐっと増したのを感じました。定位はしっかりしているのに、音が空間へ自然にほどけていくようで、音場が大きく開けて見えるような印象です。音の詰まりがなく、スーッと伸びていく開放感がとても心地よいです。
- 音の細部が非常に繊細で、透明感が一段と高まっています。特に中高域の伸びが自然で美しく、細かなニュアンスまで鮮やかに描写されるのに、耳当たりは柔らかいまま。過度な刺激がないのも嬉しいポイントです。
高出力と安定性
- AD1らしい繊細で美しい音色を保ちながら、しっかりとした駆動力が加わっているのも大きな魅力です。小出力管では鳴らしきれなかったスピーカーでも、制動力が増して輪郭が明確になり、音楽全体のエネルギーが底上げされたように感じました。
- ノイズレベルが非常に低く、静寂の背景から音が立ち上がる様子は圧巻です。ハムノイズやマイクロフォニックノイズがほとんど感じられず、高いS/N比が微細な情報の再現性を支えているのがよく分かります。
互換性と設計へのこだわり
- AD1特有の1.5Aフィラメント構造を忠実に再現しながら、$350\text{B}$の特性を融合した、EMLらしい丁寧な設計思想が随所に見られます。メッシュプレートが灯ったときの独特の美しい輝きも魅力で、ただ「音が良い」だけでなく、所有する喜びも満たしてくれる真空管だと感じました。









