※予告なく一部仕様変更がある場合がございます。
究極のフルデジタル・コントロールアンプ
高精度な音量調整と圧倒的なドライブ性能を備えた次世代アンプ
AMP-5522 フルデジタル・コントロール・アンプ
長年にわたる技術革新の末に生み出された、フルデジタル・コントロール・アンプの到達点。それがこのモデルです。リモコンによる快適な操作、広帯域な周波数特性、低ノイズ設計を兼ね備え、オーディオファイルの求める理想の一台です。
モデルバリエーション
AMP-5522M:多様な接続オプションを備え、複数の電圧入力と電流入力を装備し、さまざまなソースとの接続が可能。
AMP-5522P:プリアンプと組み合わせる設計で、電圧入力、電流入力、バランス入力を搭載し、最適な音響パフォーマンスを実現。
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革新的な操作性と洗練されたデザイン
すべての操作はロータリーエンコーダーで行い、正確かつ直感的なコントロールを実現。また、グラフィック・カラー液晶ディスプレイによるビジュアルフィードバックで、調整状況が一目でわかります。リモコン機能には使いやすい仕様を採用し、電源ON/OFF、入力選択、ゲインコントロール、ミューティングを手元で簡単に操作できます。
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最新の独自回路
電圧・電流信号の両方に対応できるHBK(I)回路を搭載。従来のバッファ回路を排除し、シンプルでハイスピードな信号伝送を実現。これにより、よりダイナミックで透明感のあるサウンドを提供します。AMP-5522では、SATRI回路が進化を遂げ、開発に長い歳月をかけて改良されました。音楽の細かなニュアンスや空間表現がよりリアルに再現され、まるで演奏者が目の前で演奏しているかのような臨場感を実現しました。
圧倒的なドライブ性能と低歪み
- 最大出力70W(10%歪み)、無歪で最大58W(1%歪み)の高出力を実現。
- 85dBの低能率スピーカーも余裕で駆動し、パワフルかつ透明感のあるサウンドを提供。
- 幅広いスピーカーとの組み合わせで圧倒的なパフォーマンスを発揮。
広帯域で高精度なサウンド
- 周波数帯域:20Hzから100kHzまで広範囲にわたり、フラットな特性を実現。
- 入力換算ノイズ:-105dBと超低ノイズ設計で、圧倒的な静寂性。
- 楽器やボーカルの表現が極めて自然で、アナログ的な滑らかさを実現。
高精度なデジタルアッテネーター
- 高精度10bitリレー式デジタルアッテネーターを内蔵し、細かな音量調整が可能。
- ステップごとの誤差を0.2dB以下に抑え、正確な音量制御を実現。
- 左右チャンネルのバランス誤差は驚くほど少なく、完璧なステレオイメージを維持。
音楽とともに広がる新たな世界
AMP-5522は、ただのアンプではありません。演奏者の息遣いや楽器の質感をありのままに伝え、リスナーを音楽の世界へと引き込みます。アナログのような温かみと、デジタルならではの圧倒的な解像度が共存するサウンド。その実力は、名盤を聴けば聴くほど鮮明に実感できるでしょう。
例えば、
- 壮大なクラシック作品では、広がりのある音場と精緻な楽器の響きを鮮明に再現。
- ジャズトリオの演奏では、演奏者のニュアンスやリズムの躍動感が豊かに表現される。
- アコースティック音源では、力強くも滑らかなサウンドでリアルな音楽体験を実現。
AMP-5522は、あなたの音楽体験を一段上の次元へと引き上げるアンプです。
最大出力 | 70W / 10%歪 |
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無歪最大出力 | 58W / 1%歪 |
周波数特性 | 20Hz(-0.14dB) ~ 100kHz(0dB) |
ダンピングファクター | 1mW: 13.42, 10mW: 13.26, 100mW: 12.6, 1W: 12.2, 10W: 13.3, 50W: 16 |
入力換算ノイズ | -105dB |
ゲイン | 15(23.5dB) |
入力 |
AMP-5522M: RCA ステレオ x4, BNC / SATRI-LINK x2 AMP-5522P: XLR x1< RCA x1, BNC x1 |
入力インピーダンス | XLR: 10kΩ, RCA: 100kΩ, BNC: 25Ω |
ゲインコントロール | 10bitリレーによるデジタルコントロール |
電源 | 100V~240V/50,60Hz |
寸法 | 442(W)x180(H)x360(D)mm |
重量 | 9.8Kg |
その音はわざわざ聴かなくてもよいほどに、強烈なオーラを放っていた。日本語で「響き」は漢字で「響」と書く。これは「音の広がり」や「共鳴」という意味を持ち、音響の「響」もこの字を使う。また、「名声」という意味も含まれており、サントリーの傑作ウイスキー「響」も同じ漢字を用いている。私はサントリー特有の豊かな香りを伴う甘さが好きなので、本機の右上に刻まれた「響」というロゴにまず心を奪われた。
実のところ、AMP-5522は従来のBakoon製品とは次元が異なる。Bakoonのラインナップには小出力アンプだけでなく、大出力モデルも存在していたが、これまで主に小出力モデルが中心に紹介されてきた。しかし、徐々にオーディオ愛好家の層が厚くなり、ハイエンドユーザーの関心を集める中で、大出力モデルも注目されるようになってきた。その流れの中で本機が登場したのは、まさに時宜を得た展開と言える。個人的に、BakoonとWilson Audioの組み合わせは素晴らしいと考えており、実際に最近登場したThe WATT/Puppyとのマッチングは驚異的だった。国内にもWilson Audioのファンが多いことを考えれば、この機会に本機に注目してみるのも良いだろう。
ここで「響き」という言葉の意味について触れておきたい。これはSATRI(サトリ)回路の延長線上にある概念であり、最新の増幅技術と捉えることができる。従来のSATRI増幅段をベースにしながら、そこに搭載されていたバッファ回路を取り除き、よりシンプルかつハイスピードな設計を追求したのが「響き」回路である。この技術はすでに第2世代に達しており、開発には4年もの歳月が費やされた。その間、いくつかの小型モデルが継続的にリリースされてきたが、これらはすべて「響き」回路の開発プロセスで生まれた製品だ。そしてついに、本機において「響き」技術が完全な形で開花したのである。なお、「響き」回路にはICがチャンネルごとに1基ずつ投入されている。
また、入力段には「HBFBC」というバッファ回路が搭載されている。これは「HyBrid FET input Buffer Circuit」の略称であり、大型の基板を小さなチップ内に実装したような設計になっている。チャンネルごとに2基ずつ使用されている点も特筆すべきだ。さらに、本機の電源部は従来のリニア方式ではなく、スイッチング電源(SMPS)を採用している。リニア方式では必然的に電源トランスが必要となり、発熱やノイズの問題が避けられない。しかし、SMPSにはこれらのデメリットがなく、新たに設計されたモジュールを搭載することで、音質面でも極めて優れた結果を実現している。
本機は2015年に発売されたAMP-5521の後継機である。AMP-5521は8Ω時に35Wの出力を持っていたが、ハイエンドモデルとして開発された5522は最低でも50Wは必要だと考えられていた。しかし、最新技術を惜しみなく投入した結果、なんと70Wもの出力を達成するに至った。この試聴では、Wilson AudioのAlexia Vを接続したが、広大な空間を堂々と鳴らす様子に、本機がいかに綿密に設計されたかを実感した。なお、ソース機器にはdCSのElgar PlusやVerdiを用い、CDとSACDを幅広く試聴した。
最初のトラックは、マルタ・アルゲリッチによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番第1楽章。まず、広大なサウンドステージに多彩な楽器が緻密に織り込まれている。その前面で華やかにフレージングされるピアノが目の前に浮かび上がる。若かりし頃のアルゲリッチの美しい姿が自然と想起される。長い髪をなびかせながら、嵐のように激しく演奏する姿が鮮明に蘇る。低域の反応は俊敏で、パンチ力がありつつも、適度な温かみを持つ音色は、まるでアナログのような自然な響きを醸し出している。
続いて、山本剛の『Misty』を再生。ピアノトリオ編成で、熟練の山本による即興演奏が宝石のように煌めいている。全体的に透明感があり、ディテールが際立ち、卓越したリズム感が感じられる。ダブルベースのラインが明瞭に浮かび上がり、シンバルのタッチが優雅に広がる。ピアノは華やかでありながら、一音一音に魂が込められている。演奏者の表情までもが思い浮かぶような、情感豊かな音楽体験が味わえた。
最後に、エリック・クラプトンの『Nobody Knows You When You're Down and Out』を聴いた。これは最近リリースされた作品であり、彼と生涯を共にした熟練のミュージシャンたちとの、余裕に満ちたセッションが繰り広げられている。まるでヴィンテージワインのように熟成されたサウンドが広がる。特に、いまだに力強さを失わないクラプトンのボーカルと、澄み切ったアコースティックギターの音色には、思わず感嘆の声が漏れる。まさに無為自然の境地とも言えるほど、スピーカーを effortless に駆動し、最高の結果を生み出している。Bakoonの魔法は、いよいよ新たな局面へと突入している。月刊オーディオ(http://www.audioht.co.kr)
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