真空管の寿命を考えてみよう

真空管の寿命を考えてみよう

音楽鑑賞が趣味で、これから、より上質な音楽を楽しむ為の選択として真空管アンプを健闘されている方もいると思いますが、実際のところ真空管ってなんだろう? 使用中のアフターメンテナンスはどうしたら良いんだろうという疑問や不安があると思います。今回はそういった真空管のアフターメンテナンスについて書いてみました。


真空管アンプの商品ページはこちら


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真空管とはトランジスタや半導体が発明される以前の何十年と昔から使われている、音声信号や電流のコントロールを行う電球のような部品です。また、世界中の様々なメーカーから同規格及び互換性のある真空管が製造されていて、アンプに付属していた真空管とは異なるメーカーの真空管に差し替えることが出来ます。同じ規格の真空管でも使っている素材や製造工程、環境?などによりメーカーごとに音に特徴があります。その為、他メーカーのものに差し替える事で自分好みの音を追求する楽しみも真空管アンプの大きな魅力です。


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交換については、真空管の中でも乱れた音声信号を整えてパワーアンプに届ける役割を持っているプリ管は、簡単に交換することができます。しかし、プリ管から送られてきた音声信号を増幅して大きくする出力管は、使用する真空管に合わせて電流の量を合わせ込むバイアス調整が必要です。ありがたい事に今は多くのアンプで自己バイアス調整が付いていて面倒なバイアス調整が不要になり、同型、互換性のある真空管を気軽に交換することが可能です。


真空管を交換していなくても、電球が消耗品であるように、真空管も長期間使用すると機能が低下して交換が必要となります。


では、真空管の寿命、交換の時期やタイミングはいつでしょうか?


タイミングの一つは、真空管が何らかの理由により壊れた場合です。白熱球と同じように真空状態であるガラス管内に空気が入ったり、内部の線が切れてしまったりしていて、アンプが正常動作せず、音が出ないので、判りやすいです。寿命というよりアクシデントですね。


そしてもう一つは寿命です。一般的に真空管はかなり長寿で、使用期間はおよそ5,000時間といわれています。これだけ長いと交換時期などの規定はほぼありません。実際、市場に出回っている真空管の多くや銘品と謳われるメーカーの物も何十年も前に製造された未使用の在庫や使用されていた中古品です。オーディオ機器に使用した場合だと使用方法によっては数十年たっていても良い音を鳴らしてくれる名品もあります。それでも劣化は徐々に進んでいきますので、長寿なだけに、すでに性能が落ちていることに気づかず使い続けてしまっていることも少なくないと思います。


音が全く出なくなるような判り易い壊れたパターンと違い、寿命の症状は聴いていて、なんか音にノイズが乗っているような...ちょっと音ひずんでる? 音ちいさいかも...ととても曖昧だったりします。記憶にある音と違っているようであれば、真空管の劣化・老化を疑ってください笑。は、いい加減ですが、耳慣れやシステムの変更などが影響してそれくらい判り辛いものです。それだけにアンプによっては真空管の状態をいつでも確認できるメーターを付けている機種もあります。


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一般的には、真空管自体を目で見て確認できる寿命、劣化の症状として、真空管上部などにある鏡面部分の変化です。これはゲッターという真空管内部の真空度の悪化を防ぐために不純物などを吸着する物質でガラス管部分の裏側の一部に塗ってあります。経年や継続使用によって、この銀色に輝く部分が剥がれてきて色が薄くなってきたり、真空管内部が黒ずんできたりします。これらの状態が目視で確認できるようでしたら、真空管の寿命だと判断できる基準となります。ですので、寿命の目安としてゲッターのの減少を定期的にチェックしてみましょう。


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ただ寿命に神経質に気を配る必要はなく、上述したように同型や互換機種の真空管に差し替えて音質の違いを楽しんだりしながら、時々にガラス管をていねいにから拭いたり、差し替えのタイミングでピンの部分を無水エタノールなどを使用して、汚れをていねいに落とす程度のシンプルなメンテナンスで十分です。



平たく言うと使っている電球が最近付きが悪いとか、暗くなったとか、パチパチ言っているとか、そんな症状が出て、交換しなきゃな、と思う程度の気軽さで、真空管アンプを楽しむことが出来ますので、初めての方も遠慮なく挑戦してみて欲しいです。
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