エミッションラボの真空管は下町ロケットか工芸品

エミッションラボの真空管は下町ロケットか工芸品

EMISSION LABS(エミッションラボ)というブランドをご存知でしょうか?

日本ではあまり馴染みのない名前ですが、山本音響工芸のアンプを所有している方であれば、その音の良さや美しい形状はすでにご存知だと思います。

ドイツのわりと新興の真空管メーカーです。そのドイツの真空管メーカー・エミッションラボ社と契約し、正規代理店として全商品の輸入販売を始めることになりました。エミッションラボ社は2000年にドイツで設立され、ドイツで真空管を設計しチェコ共和国の自社工場で直熱式チューブを製造しています。製造を他の会社に委託するようなことはしていません。

エミッションラボの商品ページはこちら

https://exclusive-audio.jp/collections/emission-labs

可能な限り最高の機械的および電気的品質を備えた、最高のサウンドの三極管を提供したいと考えているメーカーです。真空管の全ての重要な部分に超硬合金を使用し、全ての部品を自社で製造しています。

硬質金属は従来のニッケルよりも使用が難しく高価です。硬質金属アノードは、より正確なアノード距離を持ち、加熱や機械的衝撃によって形状が変化しません。これにより、チューブのパラメーターの再現性と長期的な安定性が保証されます。また、アンチマイクロフォニック アノードによって、電子機器内の特定の部品が機械的振動を望ましくない電気信号に変換してしまう現象を防いでいます。

グリッドには、ウォルフラムという非常に硬い超硬合金を採用することで、最も正確なグリッドワイヤーの距離を可能にします。最適なグリッド形状は、チューブ曲線の均一性と直線性を保証します。

金メッキグリッドの採用する事で、バイアス安定性の向上、偶発的な過負荷に対する保護、チューブカーブの直線性の向上を図っています。

ソケット部は、金メッキのピンとセラミック製ソケットで構成されています。

エミッションラボ生産の45や300Bのような真空管は、あらゆる点で最高のNOS真空管と同等の品質を備えています。同社の45真空管はほとんどのNOS真空管よりもノイズが低く、真空管全体の不良率が0.5%未満とガラス製品の製造としては非常に低く優秀です。特定のタイプについては完全に0%を達成しているなど、製造に関してはドイツメーカーらしく徹底しています。

驚くべきは、これら工程を大規模な最新鋭のファクトリーで製造しているのではなく、グラスの整形からソケットのピンの差し込み工程まで、全て手作業で進められています。まさに日本の誇る下町工場や工房で作られている工芸品の如き真空管です。

高精度な製造については、例えば、300Bは、オリジナルのウェスタン・エレクトリック製の代替品が様々なメーカーから沢山出ています。エミッションラボでも、低出力の300B-メッシュ管から高出力の300B-XLS 管、さらには非常に高出力の20B-V3管まで、いくつかのバージョンがラインアップしていますが(520Bは歴史的な理由からこのように呼ばれていますが、実際には非常に大きな300Bです。出力はほぼ2倍です)、300B管については、現在生産されている復刻版WEの300Bではなく、1988年まで米国シセロのホーソーン工場(現在はジョージア州ロスビルの新しい施設)で製造された、唯一無二の本物の300B(エミッションラボ社が云う所の)の直接の代替品としての製造へのこだわりも持っています。

エミッションラボ EML-300Bの商品ページはこちら

https://exclusive-audio.jp/products/エミッションラボ-eml300b-マッチドペア

エミッションラボの特徴は、その完成度の高さと共に真空管自体が立派なサイズで迫力があります。ユーザーは最高の完成度を備えたクラシックな製品を好むと考え、上記のように可能な限り最高の品質基準を備えつつ、伝統的な方法(ハンドメイド)で製品を製造しています。 真空管の外径はビンテージ管に比べてかなり大きく(オリジナルと同規格を採用したものは除く)、各電極を大きめに作り音質を極限まで 向上させていることが特徴です。

現在、エミッションラボの真空管はヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界の色々なオーディオメーカーのアンプに採用されています。日本ではほとんど無名に近く、検索しても全然結果が出てきませんが、実は山本音響工芸が同社と契約しています。相互協力の元、その高い信頼性と音質で、山本音響工芸のアンプにエミッションラボの300B-XLS, 274B, AD1,2A3,45を採用しています。当店は日本で2つの代理店のうちのもう一つということになります!

日本の知名度は、まだまだこれからですが、当店を足がかりに是非皆様に知って頂き堪能して欲しいと思っていますので、よろしくお願い致します!!

 

ブログに戻る