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色付けのない高精度パワーアンプ
有機半導体コンデンサを採用した回路
AMP-7511Aは同社の25周年記念のアニバーサリーモデルとして開発されました。本機は表面実装部品を積極的に採用することによりリード線が無い利点を活かした色づけの無い高精度なパワーアンプになっております。
AMP-7511Aのコンデンサには有機半導体コンデンサOS-CONOを多数使用する事で、より高精度の再生を可能にしています。
AMP-7511Aには25Wのステレオ出力を持つノーマルタイプと、50Wのモノラル出力を持つBTLタイプが選択できます。BTLタイプはステレオのアンプをプッシュプルで使用することにより、遥かに高出力で歪みのないサウンドを得ることが出来ます。ただしスレレオアンプがモノラルアンプになりますので、ステレオで使用するには2台のBTL仕様アンプが必要です。BTLアンプの前面はステレオタイプと同じですが、裏面はモノラルに対応しています。
入力は電圧入力2系統と電流入力(SATRI-LINK入力)2系統があります。
電圧入力にはCDプレーヤーなどのアナログ電圧信号を接続します。SATRI-LINK入力はバクーンプロダクツで規格化された電流伝送規格で、同社のD/AコンバータやRIAAイコライザなどのSATRI-LINK出力が付いている機器と接続する事で、電圧伝送では得られなかった莫大な量の音楽情報を得る事が出来ます。
ゲイン・コントローラーはVRタイプとアッテネーターATTタイプが選択できます。VRタイプよりもATTタイプの方がより高精度の再生を可能にします。入力セレクタは電圧入力とSATRI-LINKの切り替えが出来ます。
最大出力 | 25W(8Ω) |
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入力インピーダンス | 100KΩ |
入力 | 電圧入力2系統 SATRI-LINK(電流入力)2系統 |
周波数特性 | 10Hz - 100KHz |
サイズ | W350 x H90 x D430 mm |
重量 | 約5kg |
*ステレオとBTLの切り替えは、アンプ基板の製造時に設定しますので、お客様で仕様を変えることはできません。
バクーンのアンプの出力数値はただの数字に過ぎない。低い出力で中大型スピーカーまで自由自在に途方もない駆動力を発揮します。 バイアスの精密度を極限まで引き上げたので可能になることだ。 SATRI回路のまた他の特徴である無帰還で周波数帯域が平坦だ。 25WのAMP-7511Aはどんな音を聴かせてくれるのだろうか。 15Wを出すSCA-7511 MK3に近かったのだろうか、でなければ35Wを出すAMP-5521に近かったのだろうか。 結論から話せば今まで筆者が全く経験することができなかった新しいバクーンの音であった。 まず、ダイアナ・クラールの「Desperado」(アルバム「Wallflower」)を聴くと、バクーン特有の湧き水のように澄んだ清らかな音が聴ける。クラールの声は、既存のバクーンよりずっと柔らかく、暖かく、リキッドだ。温かみが出るような音色にチューニングされているのがよくわかる。また、再生音の重心が非常に低く設定されていることも特筆すべき点。音が上に振れることが全くない。プリパワーセパレートアンプではなく、1台のアンプでこれだけ低いステージを再現するのはすごい。
ブライアン・ブロムバーグの「Come Together」(ウッドアルバム)は音像がやや大きく、ワイドステージを使っている印象がある。イメージングとフォーカシングは明らかにSCA-7511 MK3を凌駕している。これはSCA-7511 MK3にプリアンプを取り付けた時に体験する音だ。この点で、このAMP-7511Aは上級機AMP-5521の直系であることがよくわかる。
パット・マスニーとチャーリー・ヘイデンとの「Our Spanish Love Song」(アルバム「Beyond The Missouri Sky」)では、音の輪郭がはっきりしていて、雑味はほとんどない。色付けや歪みのないバクーンという音が、アニバーサリーでようやく完成した感じだ。全体的にSCA-7511 MK3より再生音が柔らかい。SCA-7511 MK3が血気盛んな20代の若者なら、AMP-7511Aは上品な懐かしさを漂わせる40代の女性というところだろうか。
大規模な曲ではどうなんだろうと思い、1987年にレナード・バーンスタインがニューヨーク・フィルと指揮したマーラーの交響曲第2番第1楽章(DGアルバム)を聴いてみました。冒頭、右のスピーカーから低音とチェロの低音のステージが完全に放り出されている。それくらいステージが広い。背景の暗さがすごい。この時、9時半から10時半にボリュームを上げると、途端に再生音が良くなった。オーケストラのボディ、金管楽器の総合力、シンバルの輝き、ティンパニの力強いパンチ。バクーンは必要なときに「強く」弾くという味わいもある。弱音の繊細な描写もいいのですが、25W出力のアンプから出てくるパワー感は、今日のバクーンを実現した1番の貢献度だと思います。実にスムーズで控えめなのだ。
エクスプロレーション・アンサンブルの「ロッシーニの涙の変奏曲」では、まず、演出が大きく展開される。ピアノの音を聴くと、アップライトピアノでは真似もできないグランドピアノの壮大なステージを見ることができる。しかし、この曲で驚いたのは、チェロのアーティキュレーションの部分である。いつものように『チェロの音色を殺しているな』と感心していたら、突然、弦楽器が自分のメロディーをハミングしているような錯覚が展開されたのです。弦とボディの共鳴、残響、震動、ニュアンス、ディテール、それらすべてが一瞬にして筆者のもとに届けられた。膨大な情報量である。しかし、これらはハイエンドのプリアンプをつけてこそ得られる美点である。要するに、これまで何十回となく聴いてきたこの曲の中で、最も素晴らしい再現性だったのである。







